社長がこぼした「現場が雑然としている」という問題。
従業員に整理整頓を口酸っぱく指導しても、それだけでは本当の解決にはなりません。
全体の流れが意識されず、仕掛が多いことに起因する問題を抱えた現場は多いものです。
滞留の少ない流れを整える改善は、最優先で着目する視点です。
この視点で、改善を進行させている現場にて、

(私)
「仕掛在庫、すごく減りましたね!」
と声をかけると、担当者もスッキリとした笑顔です。

(担当者)
「そうなんです。以前は前後工程関係なく、とにかく今造れるものを、各工程にぶち込む感じで指示を出していました。
造るロットも、できるだけ大量に、という発想でした。
今は、前後工程をひとつの流れとして見ています。
それから生産ロットも以前の1/4程度をイメージして指示を出しています」

(私)
「仕掛り置き場を見ると、うまく流れているかどうかがわかりますね」

(担当者)
「はい、仕掛り量が少しずつ減ってくると、いっそう流れが意識されて、ますます整理整頓が進みました。
以前の雑然とした現場が嘘のようです。
捜す、仮移動、チェック、2度手間などのやっかいな作業もずいぶんと減りました」

(私)
「スペースに余裕ができて、行き先レーンごとに、先入れ・先出しも確実にできそうですね」

(担当者)
「はい、さらに色表示をして、滞留が一定期間を超えたら、異常として察知できるしくみも考えています」

滞留の少ない流れを整えるカイゼンを進めると、
こんな会話が広がってきます。

印鑑ケースをつくる別の会社にて。

 

同社では、図に示す4つの手作業工程から成り立っています。
現場に足を運ぶと、まさに、仕掛在庫が、所狭しと置かれているのに唖然としました。
話を聞くと、目に届く範囲だけではなく、内職屋さんにも、、、。

最初は、現場の雑然さに、衝撃をうけましたが、
3回、4回と訪問する回を重ねる毎に、様変わりする現場の様子にも、
また、衝撃を受けました。

もっとも大きな改善点は、
生産指示を工程毎に出して仕掛かりを造る方式から、
指示を先頭工程に出して、完成品まで一気に造りこむ方式へと流し方の発想を変えた点です。

仕掛りが減り、流れが見えやすく、かつ数量と時間の管理がしやすい環境に近づきました。
また、整理整頓も進み、効率的作業ができるとともに、改善がしやすい基盤が随分と整いました。

約半年後の報告会で発表するメンバーの表情や声のトーンにも
やり遂げた達成感、自信が感じられ、

また、感謝のお言葉も頂戴して、

思わず、最後のコメントで
「感動しました」と、、、、

当社のように手作業を中心とした工程では、一連の流れでライン化を志向することが必然です。
学校教室的なレイアウトではなく、各工程の机が流れに沿って並ぶイメージでレイアウトしたいものです。
これによって、工程毎に指示・完結、進捗、指標の管理をしている事項は、
流れのインとアウト及び流れの中の滞留を見れば、正常/異常が察知でき、
また、およそのアウトプット時刻も推測できるよになり、あてができるモノ造りに近づくはずです。

各工程毎の造り方から、工程間仕掛を制御し、工程間を流す造り方へと発想をシフトすると、
新たな世界が見えてくることが多いものです。

*関連記事リンク:
健康診断の流れ化
まとめて造るか?ひとつづつ造るか?
仕掛減らし、スッキリ・ハッキリ・シッカリ

 

「現場カイゼンが進まない、続かない・・・」とお悩みの中小製造業の経営者・現場責任者の方へ

30年に渡る”製造現場のカイゼン活動ノウハウ”を体系化した「良い現場づくりのフレームワーク」に関連する研修資料(抜粋15スライド)が無料でダウンロードできます。